ご無沙汰してしまいました。
色々な物を作らせて頂いていると時々「?」だったり、「!」だったりに出会う事があります。
写真の物はそんな「出会いもの」です。
スタイロフォームを使った「ツリー」。
作業時間自体は20分程度の物なんですが、いろんな事を考えてました。
高校生だった頃の文化祭で仮装に使うために「竜」を作った事がありました。
八犬伝をモチーフにしていたので、8体の「竜」の頭を針金と木材と拾い集めた枝(角に使う)でハリボテの物でした。
夏休み中毎日のように学校に通っては「ああでもない、こうでもない」と作っていた事。
藤を使って作った鳥凧(昔そういう凧を作る為の本が売っていたんです)
バルサや檜の角材を使って作った帆船凧(これも作り方が解説してあった本がありました)
河原で拾ってきた石を砥石で何時間もかけて研ぎながら作った石斧(石器が作りたかったんです)
5寸釘を金槌で平たくしてから、研いで作った小さな刀
新しいチョークにシャーペンで彫り込んだトーテムポール
知識も道具もない中で、出来上がりの想像だけで何時間も掛けていろいろな物を作っていた気がします。
出来上がった「ツリー」を見ながらふと思う・・・
「楽しい」と純粋に感じていたあの頃の感覚は今あるだろうか?
道具も機会も知識もある「今」の方が完成度は比べるまでもありません。
「心の満足度」は如何だろう。
「こなす」になっていないか? 「こんなものだろう」になっていないか?
「これぐらいで」とごまかしていないか?
普段と違う「創りもの」はいろんな事を考えさせてくれます。
自分自身の中にある何かを「作りたい」と思う欲求を思い出させてくれる時間でした。
「ツリー」を依頼して頂いた方に感謝です。
山本